- クラウドファーストの進展を背景に、オンプレミス環境からのクラウド移行が加速しており、2021年度のパブリッククラウド市場は前年度比20%以上で拡大し、2兆円を超える規模まで拡大したと推定される。いまだ、多くのシステムがオンプレミス環境に残存しており、オンプレミス環境からのクラウド移行進展は今後も継続していくことが予測される。加えて、DX実現に向けた新規システム/サービス基盤としてのクラウド採用進展も期待される。
- クラウドファーストが進展する中、オンプレミスへの回帰の動きも散見される。システムやデータの管理が厳格なものもあり、全てのシステムがクラウド移行に至ることは難しい。また、低レイテンシー性が求められるケースや通信コストの削減ニーズなどもあり、クラウドベンダー各社はこういったニーズの受け皿として、ディストリビューテッドクラウドの提供を進めている。
- 国内パブリッククラウド市場は引き続き、外資系ベンダーがけん引している。中でもIaaS/PaaS市場は、「AWS」を提供するアマゾン ウェブ サービス ジャパン、「Google Cloud」を提供するグーグル・クラウド・ジャパン、「Azure」を提供する日本マイクロソフトの3社で構成されるメガクラウドベンダーを主体とした市場が形成されており、2021年度のIaaS/PaaS市場の内、メガクラウドベンダーによる売上が約70%を占めている。メガクラウドベンダーは、幅広いサービスラインアップのもと、グローバル規模でのスケールメリットを生かしたビジネスを展開しており、今後もIaaS/PaaS市場をけん引していくと予測される。一方で、急激に円安が進む中、ドルベースでのクラウド利用料金の増大がメガクラウド活用に際する課題となっている。
- 以上を踏まえ、本市場調査資料では下記の調査ポイントに基づき、パブリッククラウド市場に参入しているベンダーのビジネス戦略や実績、ユーザー企業におけるパブリッククラウド利用状況などの情報をもとに、パブリッククラウド市場全体のトレンドや今後の方向性を分析し、パブリッククラウド市場に関連するベンダーにおける事業戦略立案の参考となる情報を提供することを目的とする。
- ■調査ポイント
- クラウド移行/採用に際する業種別の有望なワークロードを明確にし、市場動向や個別のワークロードに関連するトレンド動向を整理する。
- ディストリビューテッドクラウドに関連するベンダー各社の取り組み、ディストリビューテッドクラウドと親和性の高いクラウド活用シーンや関連するトレンド動向を整理する。
- メガクラウドベンダー各社の実績/戦略に加え、システムインテグレーターやクラウドインテグレーターなどの国内ベンダーによるメガクラウドビジネス実績/戦略を分析し、国内のメガクラウド関連ビジネス動向を整理する。
- メガクラウドベンダーおよび国内ベンダーによるメガクラウドビジネス展開に際する円安影響に対する見解や取り組みなどを整理する。
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